2025.04.11
歯のクリーニングのやりすぎは危険?処置後の注意や保険適用についても解説
歯のクリーニングをしてみたいけれど、次の疑問を持っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

歯のクリーニングってキレイになるの?

頻繁に歯のクリーニングしても大丈夫なの?

歯のクリーニングって保険でできるって本当?
この記事では、歯のクリーニングはどんなことをするのか、保険適用になるのか、危険性はあるのか、など詳しく解説しています。
歯のクリーニングが気になる方は参考にしてください。
歯のクリーニングとは

歯のクリーニングとは歯磨きなどのホームケアと違い、歯医者で専門の機械を使って歯をキレイにすることです。
歯科医師や歯科衛生士が専門の機械を使ってクリーニングするので、日頃落とし切れていない汚れを取り除くことができ、歯がツルツルになります。
お口の中が快適になり、爽快感を感じることができるでしょう。
ぜひ歯のクリーニングを受けてみてください。
歯のクリーニングの目的
歯磨きなどのホームケアでは取りきれない汚れを取り除き、歯の表面を磨くことで見た目をキレイにできるだけでなく、虫歯や歯周病などの口腔トラブルを防ぐこともできます。
歯のクリーニングの主な目的を下にまとめました。
- 口腔内を清潔にする
- 歯垢や歯石、着色汚れを除去する
- 虫歯や歯周病、口臭の進行を防いだり、予防できる
- 歯と歯ぐきの境目の汚れを取り除き歯ぐきの健康を守る
- 歯の表面を磨き、着色を付きにくくする
- 歯を美しくする
歯のクリーニングの方法
歯のクリーニング方法を順を追って説明します。
- 問診・検査:磨き残しがないか染め出し液などで確認
- ブラッシング指導:磨けていないところや正しい磨き方を指導
- スケーリング:超音波スケーラーやエアフロ―で歯垢や歯石を除去
- PMTC:ペーストで歯の表面を磨く
- フッ素塗布:フッ素を歯に塗る
歯のクリーニングの適切な頻度
ホームケアで歯をキレイに磨いていれば、歯のクリーニングは頻繁にする必要はありません。
歯のクリーニングの目安を表にまとめました。
口腔状態 | 歯のクリーニングの頻度の目安 |
---|---|
セルフケアが十分にできている人 | 3~6ヶ月 |
口腔内環境が良くない人、汚れがつきやすい人 | 1~2ヶ月 |
歯周病・歯肉炎の人 | 1~2ヶ月 |
虫歯が多い人 | 1~2ヶ月 |
着色が気になる人 | 1~2ヶ月 |
喫煙している人 | 1~2ヶ月 |
- セルフケアが十分にできている人
- 自宅での歯磨きなどのセルフケアができている人の場合は、歯のクリーニングは3~6ヶ月に一度で構いません。
歯医者での定期健診が大体3ヶ月に一度なのでそれを目安にしてください。 - 口腔内環境が良くない人、汚れがつきやすい人
- 歯をうまく磨けていない人や歯並びや唾液の性状で汚れが付きやすい人は1~2ヶ月の頻度を目安にしてください。
歯垢(プラーク)が付いたまま放っておくと歯石になってしまい、更に虫歯や歯周病になるリスクも増えてしまいます。
- 歯周病・歯肉炎の人
- 歯周病・歯肉炎の診断を受けた人は1~2ヶ月を目安にクリーニングを受けてください。
歯肉に炎症があるので、歯ブラシが届きにくい歯と歯ぐきの境目を重点的にクリーニングする必要があります。 - 虫歯が多い人
- 虫歯リスクが高い人は歯に汚れが付きやすい人が多いので1~2ヶ月を目安にクリーニングを受けてください。
磨き残しをキレイに取り除く必要があります。
- 着色が気になる人
- 歯の着色が気になる人は1~2ヶ月を目安にクリーニングを受けるか、着色が気になる時に来院してください。
保険適用外になる場合もあります。 - 喫煙している人
- タバコによる着色が気になる場合は1~2ヶ月を目安にクリーニングを受けてください。
喫煙していると歯周病のリスクが高くなるので、健診も兼ねて来院するのをおすすめします。
歯のクリーニングとホワイトニングの違い
歯のクリーニングとホワイトニングは歯をキレイにするという目的は同じですが、治療自体は全くの別物です。
歯のクリーニングは歯の表面の汚れを取り除いたり、歯垢・歯石を取り除き虫歯や歯周病の進行を防ぐことを目的としています。
ホワイトニングは歯の元々の色を更に白くすることを目的としています。
歯のクリーニングを終えてからホワイトニングをすることでホワイトニングの効果をより強めることができます。
歯のクリーニングとホワイトニングの違いを表にまとめたので参考にしてください。
クリーニング | ホワイトニング | |
---|---|---|
目的 | 歯の表面の汚れを取り除く 虫歯・歯周病の進行を防ぐ | 歯の白さを本来の白さより更に白くする |
施術頻度 | 3ヶ月に1度 | 6ヶ月~ |
料金相場 | 保険適用でおよそ2,500円 自費で5,000円~10,000円 | 20,000円~50,000円 |
保険適用の有無 | 有 | 無 |
薬剤の使用 | 有 ペースト剤やフッ素 | 有 過酸化水素や過酸化尿素 |
歯のクリーニングが保険適用になる条件や頻度
歯のクリーニングは歯医者の定期健診でもしてもらえ、基本的に保険適用される治療です。
しかし、自費になる場合もありますので、どんな場合に自費になるか説明します。
歯のクリーニングが保険適用になる条件
歯のクリーニングは基本的に保険適用ですが、それは治療目的であることが前提です。
検査で歯周病や歯肉炎が認められる場合のみ保険適用になります。
歯をキレイにしたいなどの見た目の問題や、口腔状態がキレイでクリーニングが必要のない場合は保険適用になりません。
下のような場合は歯のクリーニングは保険適用されます。
- 口腔衛生状態が悪い場合
- 歯周病や歯肉炎などの治療が必要な場合
- 歯垢や歯石がついている場合
歯のクリーニングが保険適用の場合は、一度に全ての歯石を取ってもらえないことがあります。
診療報酬点数や予約時間の関係もありますが、一番の理由は歯石を無理に一度に全て取ってしまうと、歯ぐきに痛みや出血が出るリスクが高くなるからです。
歯石が多い場合は数回に分けて取ることがあるのでお気を付けください。
歯のクリーニングが保険適用になる頻度

歯のクリーニングが保険適用でできるからといって、頻繁に受けることはできません。
歯を磨く治療であるPMTC、歯科診療報酬の処置名でいえば「機械的歯面清掃」は2ヶ月に一度しか算定することができません。
そのため、保険適用で歯のクリーニングを受けたい場合は最低でも2ヶ月は空ける必要があります。
そして、3ヶ月以上歯医者に行かない期間が続くと、また初診に戻ってしまい初診料がかかってしまいます。
以上のことから2~3ヶ月に一度の頻度で定期健診と共に歯のクリーニングを受けることがおすすめです。
歯のクリーニングが保険適用外になるのはどんな場合?
歯の見た目をキレイにしたいという審美性の問題や歯周病を予防したいのみの場合は保険適用外になる可能性があります。
しかし、保険適用外、つまり自費のクリーニングにもメリットがたくさんあります。
- 時間をかけてじっくりクリーニングを行ってもらえる
- 保険治療では歯石取りは何回かかけて行われるが、自費診療の場合一度で終わることが多い
- 好きなタイミングで受けることができる
- 審美性を目的にしたケアを受けることができる
自費のクリーニングには使用する歯医者専用の機械に制限がないため、より歯をキレイにできる審美性に特化した機械でクリーニングをすることができます。
歯の汚れにしっかりとアプローチでき、歯を傷つけにくい機械でクリーニングしてもらえるので満足度が高いのが特徴です。
保険適用と自費のクリーニングを料金比較
保険適用と自費のクリーニングの料金を比較してみましょう。
保険適用の場合 | 自費の場合 | |
---|---|---|
料金相場 | 2,500円 | 5,000円~10,000円 |
歯のクリーニングは保険適用ですと2,500円前後で受けることができますが、一度で終わらない場合があります。
それに比べ自費の場合は料金は高くなりますが一度で歯石取りも全て終わらせることができ、着色を落とすだけでも利用できるのです。
歯のクリーニングをやりすぎると危険?
歯のクリーニングが必要な頻度は上の歯のクリーニングの適切な頻度で述べたように、人によって違います。
- 歯のクリーニングをやりすぎると起こりうるリスク
- ・歯ぐきが下がってくる
・知覚過敏
・歯ぐきからの出血

歯のクリーニングでは、歯と歯ぐきの境界の部分をスケーリングでお掃除するため、歯ぐきに炎症がある場合は出血することがありますが、すぐに治まることがほとんどです。
しかし、スケーリングを頻回にすると歯ぐきが下がってしまう歯肉退縮が起こってしまいます。
また、歯のクリーニングに含まれるPMTCは歯の表面を磨くため、やりすぎるとエナメル質が薄くなり知覚過敏になりやすくなります。
このため、歯科医師の判断の下で歯のクリーニングをしてもらいましょう。
歯のクリーニング後の注意点
歯のクリーニングをした直後は歯の表面の薄いタンパク質の膜であるペリクルがはがれている状態なので刺激を避けましょう。
また、ペリクルがないため歯に着色も付きやすいです。
下に詳しく説明するので参考にしてください。
飲食の注意

歯のクリーニングの直後はペリクルがはがれているため、歯の表面に着色が付きやすい状態です。
色の濃い飲食物を避けましょう。
また、刺激が強い物もしみる可能性があるので刺激物も控えましょう。
- クリーニングはできれば避けた方がいいもの
- ・熱い物、冷たい物、辛い物などの刺激物
・コーヒー、紅茶、緑茶などお茶類
・カレーや赤ワインなど色の濃い物
歯磨き方法の注意

毎日の歯磨きは必要ですが、歯磨きの方法が間違っていると歯や歯ぐきに傷をつけてしまいます。
特に、歯のクリーニング直後はペリクルがはがれ、歯の表面が無防備な状態なので優しい力で磨きましょう。
- 歯ブラシの持ち方
- 握りこむのではなくペンの持ち方にしましょう。
- 歯ブラシにかける力
- 歯ブラシの毛先が曲がるか曲がらないかくらいの優しい力で磨きましょう。
歯のクリーニングに関するよくある質問
歯のクリーニングに関するよくある質問をまとめましたので、参考にしてみてください。
Q1. 歯のクリーニングを受ける頻度の目安は?
歯のクリーニングを受ける頻度は人によって違い、口腔状態によって左右されます。
セルフケアができている人の場合は、定期検診と一緒に受けられる3ヶ月程度を目安にすると良いでしょう。
Q2. 歯のクリーニングで痛いのはどうしてですか?

歯のクリーニングが必要な人は、ほとんどが歯周病や歯肉炎にかかっている人です。
歯周病や歯肉炎がある場合は歯ぐきに炎症があり、歯周ポケットが深かったり歯ぐきが腫れていることが多いです。
歯のクリーニングは歯と歯ぐきの境目を掃除することも含まれているので、痛みを感じる場合があります。
Q3. 歯のクリーニングを2回に分けることがある理由は?
歯のクリーニングが保険適用の場合は一度に全ての歯石を取ってもらえないことがあります。
診療報酬点数や予約時間の関係もありますが、歯石を無理に一度に全て取ってしまうと、歯ぐきに痛みや出血が出るリスクが高くなるからです。
歯石が多い場合は数回に分けて取ることがありますので、ご注意ください。
Q4. PMTCとは何ですか?

PMTCとは、プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニングの略です。
これは、歯科医師や歯科衛生士などが専門の機械を使って行う歯のクリーニングのことです。
歯科専門のペーストを歯に塗り、歯と歯の間や歯と歯ぐきの間をお掃除したり、歯の表面を治療のことをいいます。
歯の表面がツルツルになり爽快感を得られると共に、歯に汚れが付きにくくなります。
Q5. 歯石は取らない方がいい場合もあるのですか?
歯石は細菌の塊なので放置していると、歯周病や口臭の原因になります。
歯石は取ることをおすすめします。
歯石は硬く、ザラザラしているので歯磨きでは取れず歯医者でのクリーニングが必要になります。
歯石がたまると、更に汚れが溜まりやすくなり、着色も目立つので歯石は放置しないようにしましょう。