2025.04.13
口呼吸から鼻呼吸にして顔つきが変わるまでの期間|芸能人にもいるアデノイド顔貌との関連
人間本来の呼吸は鼻呼吸です。
しかし、何らかの異常で口呼吸が習慣化すると身体に害があるばかりが顔つきまで変化してしまいます。
口呼吸で下のように悩んでいる方はたくさんいらっしゃいます。

口呼吸になってから口元が前に出てきたような気がする。

鼻詰まりが続いて、気付けば口呼吸になっている。

口元がいつも開いている、と言われる。
口呼吸はデメリットが多く、見た目や体調にまで不調を来たします。
この記事では、口呼吸のデメリットから鼻呼吸への治し方、顔貌の変化などについて説明しています。
口呼吸でお悩みの方は参考にしてください。
目次
口呼吸の体への影響
口呼吸は身体に不調を来たすばかりか、顔貌にまで影響を及ぼすことがあります。
下に口呼吸による体への影響をまとめました。
- 風邪などの感染症にかかりやすくなる
- 口の中が乾燥することにより、虫歯や歯周病、口臭のリスクが高くなる
- 口に締まりがなくなる
- 歯並びに影響が出る
- 口元のたるみやほうれい線が目立ちやすくなる
- 免疫が低下しやすい
- いびきをかきやすい
- 睡眠時無呼吸症候群のリスクが高くなる
口呼吸で顔つきは変わる?

口呼吸になると口が常に開いていることが多いです。
口を開けたままですと、唇や口周りの筋肉が緩み、締まりがなくなりたるんできます。
顔貌の変化に加え、顎の発育が遅くなり、歯が並ぶスペースも狭くなることで歯並びが悪くなってしまいます。
口呼吸で顔貌が変化すると言われているのはこのためです。
また、舌にも力がかからなくなることで舌が口の中の低い位置で固定されます。
そのため歯列に圧力が内側からかからなくなり、歯が並ぶアーチが狭まり叢生の原因になってしまいます。
口呼吸によって具体的にどんな変化が起こるかを下にまとめました。
- 出っ歯
- ガタガタな歯並び(叢生)
- 開咬(お口がいつも開いている)
- 口元に締まりがなく緩む
- 口元が前に出る
- 下顎がたるむので面長になる
- 下唇が腫れぼったく見える
- ほうれい線やしわが目立つ
口呼吸は顔貌が下に伸びている面長な印象を与えてしまいます。
また、歯並びも悪くなり咬み合わせにも影響が出てきます。
口呼吸から鼻呼吸に治すための方法
上の項目で述べた通り、口呼吸にはデメリットがたくさんあり、また人間の本来の呼吸は鼻呼吸です。
口呼吸であっても鼻呼吸に治す方法があります。
次の項目で紹介するので口呼吸を改善しましょう。
口呼吸を治すためにまずチェックすべき条件
口呼吸の主な原因は鼻が詰まっていること、舌が上顎に付いていないことです。
この2つを治さなければ口呼吸の改善は難しいです。
①鼻が通っていること
口呼吸になる一番の原因が慢性的な鼻詰まりです。
つまり鼻で呼吸がしにくいため、口で呼吸してしまう、という状態です。
鼻詰まりの原因には、以下のようなものがあります。
- アレルギー性鼻炎(花粉やダニ、ハウスダストなど)
- 慢性鼻炎
- アデノイド肥大
- 副鼻腔炎
耳鼻科での治療が必要になるケースもあるので、鼻炎がひどい方は耳鼻科でご相談ください。
②上顎と舌のサイズが合っていること
通常、舌が上顎に触れることで自然と鼻呼吸ができるのですが、口呼吸だと舌や口周りの筋肉が発達せず、舌が通常より低い位置に固定され上顎に届かなくなってしまう低位舌という状態が見られます。
低位舌の原因には主に、上顎が小さいことと、舌の筋力が足りないことが挙げられます。
改善方法を下にまとめました。
- 上顎が小さい場合
- 歯列矯正をしましょう。
3~4歳であれば骨の成長段階なので自然に上顎を広げることが可能ですが、それ以降は歯列矯正が必要です。 - 舌の筋力が足らない場合
- 舌を鍛えて通常の位置に戻す必要があります。
舌を鍛える方法にあいうべ体操や口腔筋機能療法(MFT)をやってみましょう。
鼻詰まりと上顎の大きさが改善できたならば、次の項目で紹介するトレーニングをしてみましょう。
上あごのスポットと呼ばれる場所に舌を付けるトレーニング
舌を鍛えるトレーニングを行うことで、低位舌が改善され舌が上顎に接するようになり自然と鼻呼吸ができるようになるでしょう。
簡単なトレーニングをいくつか紹介するのでぜひトライしてみてください。
あいうべ体操
あいうべ体操とは舌や口周りの筋肉を鍛える簡単な体操です。
10回を1セット、1日3セットを目標にやってみてください。
声は出さなくて構いません。

- 「あー」と大きく口を開く
- 「いー」と口を思い切り横に広げる
- 「うー」と唇をとがらせて、前に付き出す
- 「べー」と舌をできるだけ下の方に出す
全ての項目を1秒キープしながら繰り返しましょう。
視線を下げないようする

スマホを見ていると、うつむきがちで下を向く時間が長くなりますよね。
視線が下がるようなうつむきがちの視線は口元が緩みやすく、口呼吸になりやすいです。
そのため、できるだけ視線を下げる時間が長くならないように気を付けましょう。
ついスマホやゲームに熱中すると長時間、視線が下がってしまうので気を付けてくださいね。
鼻呼吸テープを使う

鼻呼吸テープとは口テープとも呼ばれ、左のイラストのような鼻の下から顎まで貼るテープのことです。
鼻呼吸テープは睡眠のときに貼るテープで口呼吸になるのを防ぎます。
日常は鼻呼吸を意識することができますが、睡眠のときは知らずに口呼吸になってしまうので鼻呼吸テープを使って予防することができます。
貼るだけで簡単に口呼吸を防ぐことができるおすすめの口呼吸予防法です。
トレーニングでの改善が難しい症例は矯正治療の検討も

トレーニングでも口呼吸が改善しない場合は歯列の大きさや顎の発達度合いが関係していることがあります。
歯列矯正は歯列を広げたり、顎の成長を促したり抑制したりすることでき、歯並びを改善することができます。
歯並びが改善されると、鼻呼吸がスムーズにできる場合もあるので歯科医院で相談しましょう。
口呼吸を鼻呼吸に治して顔つきが変わるまでの期間
口呼吸が原因でお口がいつも開いていたり、下唇が出ているなどの顔つきが気になっている方もいらっしゃいます。
口周りや舌の筋力がなくて口呼吸になっている場合は、「あいうべ体操」や口腔筋機能療法(MFT)を1ヶ月続けると効果が見えてくる場合が多いです。
しかし、歯並びや鼻炎、アデノイドが原因の場合の口呼吸は治るまで個人差があります。
歯列矯正が必要な場合は1~3年程度の時間が必要ですし、鼻炎やアデノイドならば治療が必要です。
口呼吸とアデノイド顔貌の関連

アデノイドとは咽頭扁桃のことで、鼻と喉の間にあるリンパ組織のことです。
このアデノイドが大きいと鼻呼吸しづらくなり、口呼吸になる原因になります。
通常、アデノイドの大きさは5~6才頃がピークで10才頃には小さくなり、20才頃にはほとんどみられなくなります。
しかし、口呼吸が習慣化しているとアデノイドが大人になっても残り、顔の成長に影響が及んでしまい「アデノイド顔貌」になってしまうかもしれません。
アデノイド顔貌の特徴を次の項目で説明するので参考にしてください。
アデノイド顔貌の特徴
アデノイドが肥大していると口呼吸を引き起こし、特徴的な顔つきになります。
アデノイド顔貌の特徴を記載します。
- 口がいつも開いている
- 面長
- 唇が出ている
- 顎が小さく、首との境目がはっきりしない。二重顎が見られることも。
- 歯並びが悪い
アデノイド顔貌の原因は?口呼吸も影響が
アデノイド顔貌になる原因ですが、アデノイドが大きいだけでなく、それに伴う口呼吸によることが大きいです。
アデノイドが肥大していると、鼻と喉の間の空気の通り道が狭くなり鼻呼吸しにくくなります。
そのことが原因で、口呼吸になり特徴的なアデノイド顔貌になってしまうのです。
アデノイドの治療は主に耳鼻科ですることができます。
歯科ではアデノイド顔貌により引き起こされた歯並びの矯正治療をすることができるので、アデノイド顔貌が気になる方は医療機関に相談しましょう。
口呼吸の顔つきに関するよくある質問
口呼吸の顔つきに関するよくある質問をまとめました。
Q1. 鼻呼吸なのに寝ているときに口が開くことの直し方は?

日中は意識的に鼻呼吸をすることができますが、寝ている間は鼻詰まりやアデノイドの肥大などで無意識に口呼吸になってしまうことがあります。
寝ているときに口が開かないようにする鼻呼吸テープが市販されているので使ってみてください。
Q2. 口を開けて寝る人の特徴や原因はありますか?
鼻詰まりや睡眠時無呼吸症候群、歯並びなどによって寝ているときに口が開いてしまう場合があります。
口を開けて寝る人の特徴や原因をまとめました。
口を開けて寝る人の特徴や原因
- 鼻炎やアレルギーなどによる鼻詰まりがある人
- 口周りや舌の筋力が低下している人
- 顎の骨の発達具合や歯並びに問題がある人
- アデノイドが肥大している人
- 睡眠時無呼吸症候群
- 病的に太っている人
- いびきをかいている人
寝ているときに口が開いてしまう原因はさまざまです。
まずは原因を突き止め、それに対応する治療法を医療機関で教えてもらいましょう。
Q3. 芸能人でも聞くアデノイド顔貌のチェック方法はありますか?
アデノイド顔貌のチェック表を確認してみましょう。
当てはまる項目が多いほど、アデノイド顔貌の可能性が高いです。

Eライン:横から顔を見た時、鼻先と顎の最も突き出た部分を結んだラインのこと
アデノイド顔貌チェック方法
・横顔を見た時、Eラインよりも口元が前に出ている(左のイラスト参照)
・顎と首の境目がはっきりしない
・口呼吸をしている
・いつも口が開いている
・いびきをかく
・鼻詰まりがある
・二重顎である
・唇が出ている
・下顎が小さく後ろに下がっている
・歯並びが悪い
Q4. 子供の口呼吸は直した方がいいですか?
結論から言うと、子供の口呼吸は治したほうがいいです。
口呼吸は顔つきだけでなく、歯並びの悪化や、発音の不明瞭、感染症にかかりやすくなるなど全身状態にも悪影響を及ぼします。
子供の口呼吸のよくある原因と治療法を表にまとめました。
参考にしてください。
原因 | 治療法 |
---|---|
鼻詰まり | 慢性鼻炎やアレルギーの治療 |
アデノイド肥大 | アデノイドはだんだん小さくなる 大きすぎる場合は手術 |
癖 | 悪習癖が続くと、その後の歯並びにも問題が生じるので改善が必要 |
歯並びが悪い | 歯並びや顎の成長に問題があると口呼吸になりやすい 歯医者で相談が必要 |
口周りや舌の筋力不足 | 口周りの筋肉を鍛えるトレーニングや食生活を見直し |